今回は自然数$n$と複素数$z$、それから実数$r$について
\begin{equation*}
z^n=r
\end{equation*}
という$z$の関する方程式を考えます。
実はこの解を複素平面上にプロットすると面白いことが起こります。
複素平面の復習はこちら
必要な知識
- 複素平面(詳細)
- 複素数範囲での因数分解
2015年3月17日火曜日
2015年3月12日木曜日
実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違い
先日の記事でも紹介したように、虚数同士の大小を(私たちのよく知る意味においては)比較することはできません(詳細)。一方で、虚数の絶対値は定義することができます。しかし、その扱いには注意が必要です。
問.$|z-2|=1$を満たす複素数$z$を求めよ。
これに対して、ある学生は以下のように考えました。
まずは絶対値記号をはずして
\begin{equation*}
z-2=\pm1
\end{equation*}
より、
\begin{equation*}
z=1,3
\end{equation*}
実はこれは間違いです。どこがおかしいか説明できますか。
本稿では、
1.複素平面についておさらい
2.複素数の絶対値の定義を納得する
3.実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違いを指摘する
4.この問いに対する正しい答えを導く
ことを行います。
必要な知識
- 実数の絶対値の定義や絶対値記号の外し方
- 複素数と虚数の定義(詳細)
- 円の方程式$x^2+y^2=r^2$
問.$|z-2|=1$を満たす複素数$z$を求めよ。
これに対して、ある学生は以下のように考えました。
まずは絶対値記号をはずして
\begin{equation*}
z-2=\pm1
\end{equation*}
より、
\begin{equation*}
z=1,3
\end{equation*}
実はこれは間違いです。どこがおかしいか説明できますか。
本稿では、
1.複素平面についておさらい
2.複素数の絶対値の定義を納得する
3.実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違いを指摘する
4.この問いに対する正しい答えを導く
ことを行います。
必要な知識
- 実数の絶対値の定義や絶対値記号の外し方
- 複素数と虚数の定義(詳細)
- 円の方程式$x^2+y^2=r^2$
2015年3月7日土曜日
sin x=2 を満たすx は??
\begin{equation*}
\sin x=2
\end{equation*}
をみたす$x$は存在するか。
という問いについて考えます。
\begin{equation}
-1 \leq \sin x \leq 1
\end{equation}
なので、方程式$\sin x=2$を満たす解は「ない」というのは間違いです。不等式(1)は$x$の定義域が実数の時にのみ有効です。この問いでは、$x$を実数とは限定していません(高校数学では文字の定義に断りがない場合は暗黙に実数と了解されてしまうことも多いですが…)。三角関数の定義域は複素数にまで拡張できます。
以下はオイラーの公式
\begin{equation*}
e^{ix}=\cos x + i \sin x
\end{equation*}
を既知とするので注意してください(オイラーの公式がなにものか知らなくても、形式的にこの公式を受け入れれば、理解できます)。
必要な知識
- オイラーの公式
- 対数関数
- 2次方程式の解の公式
\sin x=2
\end{equation*}
をみたす$x$は存在するか。
という問いについて考えます。
\begin{equation}
-1 \leq \sin x \leq 1
\end{equation}
なので、方程式$\sin x=2$を満たす解は「ない」というのは間違いです。不等式(1)は$x$の定義域が実数の時にのみ有効です。この問いでは、$x$を実数とは限定していません(高校数学では文字の定義に断りがない場合は暗黙に実数と了解されてしまうことも多いですが…)。三角関数の定義域は複素数にまで拡張できます。
以下はオイラーの公式
\begin{equation*}
e^{ix}=\cos x + i \sin x
\end{equation*}
を既知とするので注意してください(オイラーの公式がなにものか知らなくても、形式的にこの公式を受け入れれば、理解できます)。
必要な知識
- オイラーの公式
- 対数関数
- 2次方程式の解の公式
2015年3月4日水曜日
虚数の虚数乗は?
虚数の虚数乗はどうなるでしょう。高校生からよくされる質問です。
\begin{align}
i^i=?
\end{align}
必要な知識
- オイラーの公式
- 実数のべき乗が$x^\alpha=e^{\alpha \log x}$で定義されていること
\begin{align}
i^i=?
\end{align}
必要な知識
- オイラーの公式
- 実数のべき乗が$x^\alpha=e^{\alpha \log x}$で定義されていること
2015年3月3日火曜日
虚数の大小 虚数の世界で不等式はつくれない??
複素数の世界では一般に絶対値の大小を比較することができますが、複素数そのものの大小はどうなっているでしょうか。
実数の世界では、数直線上の右側にある数を「大きい」左側にある数を「小さい」と定義し、実数の不等式を与えることができます。
同様にして、複素数の世界で大小を考え、
\begin{equation*}
\alpha+i\beta < \gamma+ i\delta
\end{equation*}
という風に書くことができるだろうか。
必要な知識
- 高校で学習する程度の複素数の知識
実数の世界では、数直線上の右側にある数を「大きい」左側にある数を「小さい」と定義し、実数の不等式を与えることができます。
同様にして、複素数の世界で大小を考え、
\begin{equation*}
\alpha+i\beta < \gamma+ i\delta
\end{equation*}
という風に書くことができるだろうか。
必要な知識
- 高校で学習する程度の複素数の知識
高次代数方程式の共役解
一般に$n$次の実数係数の代数方程式
\begin{equation}
a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\dots+a_2x^2+a_1x+a_0=0 (a_n \neq 0)
\end{equation}
において、複素数$\alpha$がこの方程式の解ならば、その共役複素数$\overline{\alpha}$もこの方程式の解になる。
この定理を証明します。
必要な知識
- 共役複素数の計算法則
\begin{equation}
a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\dots+a_2x^2+a_1x+a_0=0 (a_n \neq 0)
\end{equation}
において、複素数$\alpha$がこの方程式の解ならば、その共役複素数$\overline{\alpha}$もこの方程式の解になる。
この定理を証明します。
必要な知識
- 共役複素数の計算法則
虚数と複素数の違い
虚数と複素数の違いがあいまいな高校生が多いです。次の問いに答えることができますか?
問.次の3つの数は、「純虚数」「複素数」「虚数」「実数」のどれに該当するか言え。
(1) $23$
(2) $3+i$
(3) $\sqrt{-2}$
(4) $0$
問.次の3つの数は、「純虚数」「複素数」「虚数」「実数」のどれに該当するか言え。
(1) $23$
(2) $3+i$
(3) $\sqrt{-2}$
(4) $0$
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