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2015年3月3日火曜日

虚数の大小 虚数の世界で不等式はつくれない??

複素数の世界では一般に絶対値の大小を比較することができますが、複素数そのものの大小はどうなっているでしょうか。
実数の世界では、数直線上の右側にある数を「大きい」左側にある数を「小さい」と定義し、実数の不等式を与えることができます。
同様にして、複素数の世界で大小を考え、

\begin{equation*} \alpha+i\beta < \gamma+ i\delta \end{equation*}
という風に書くことができるだろうか。

必要な知識
- 高校で学習する程度の複素数の知識




実数の世界では、
  • 全ての実数xxはx>0, x=0, x<0のいずれかを満たす。
  • 任意の実数x,yにおいてx>0, y>0 \Rightarrow x+y>0
  • 任意の実数x,yにおいてx>0, y>0 \Rightarrow xy>0
という大小関係が成立するが、このx,yを一般の複素数に拡張することはできない。この意味において、複素数の世界で大小を定義することはできない。

たとえばii\geq0を満たすとしよう。これの両辺にiをかけて、
\begin{equation*}  -1 \geq 0 \end{equation*}
となり矛盾する。では、ii<0を満たすとしよう。これの両辺にiをかけて(負数なので不等号の向きが逆になることを考えれば)、
\begin{equation*}  -1 > 0 \end{equation*}
となり矛盾する。

以上から、一般の虚数に正負を与えることはできず、少なくとも私たちの知る意味での「大きさ」を複素数の世界が定義することができないことが分かる。

また、実数xは、
\begin{equation*}  x×x=(-x)×(-x) \geq 0 \end{equation*}
をみたすが、虚数単位i
\begin{equation*}  i×i \neq (-i)×(-i) \end{equation*}
であることも著しい特徴である。


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