2次方程式$ax^2+bx+c=0$の解を$\alpha,\beta$とするとき、
\begin{eqnarray*}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\
\alpha \beta = \frac{c}{a}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray*}
という関係が成立します(ただし、$a \neq 0$)。これは高校の教科書にも載っている重要な関係式で、
2次方程式の解と係数の関係と呼びます。一般に解と係数の関係は方程式の係数が虚数でも用いることができました。高校数学の範囲内では根号内の虚数は処理できないので、解の公式は実係数の方程式でしか利用できませんが、解と係数の関係は虚数係数でも利用できました。
同様に、3次方程式$ax^3+bx^2+cx+d=0$の解を$\alpha,\beta,\gamma$とした場合は、
\begin{eqnarray*}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha + \beta + \gamma = -\frac{b}{a} \\
\alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha = \frac{c}{a} \\
\alpha \beta \gamma = -\frac{d}{a}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray*}
という
3次方程式の解と係数の関係が成立します。
では、より高次な代数方程式における解と係数の関係はどうなっているでしょうか。本稿では4次方程式の解と係数の関係を求め、さらに高次な方程式の解と係数の関係を求めます。
なお、解と係数の関係を見つけたのは、
アルベール・ジラール(1595-1632)だと言われています。
必要な知識
- 恒等式の係数比較
- $n$次の代数方程式には$n$個の解があるという事実(代数学の基本定理)
指針:
4次方程式の解と係数の関係を求め、帰納的に5次以上の解と係数の関係がどうなっているかを類推する。