2015年3月4日水曜日

次数が奇数の代数方程式は実数解を必ず持つ。

一般に、
\begin{equation*}
a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\dots+a_1x^1+a_0=0 (a \neq 0)
\end{equation*}
と書ける方程式を$n$次の代数方程式と呼びます。そして、代数方程式でない方程式を超越方程式などと呼びます。例えば、$x$に関する方程式
\begin{eqnarray*}
\log x = 23 \\
\sin 2x = \pi \\
\end{eqnarray*}
などは超越方程式です。

さて、次数が奇数の多項式
\begin{equation*}
a_{2n+1}x^{2n+1}+a_{2n}x^{2n}+a_{2n-1}x^{2n-1+}\dots+a_1x+a_0 (a \neq 0)
\end{equation*}
は零解、つまり
\begin{equation*}
a_{2n+1}x^{2n+1}+a_{2n}x^{2n}+a_{2n-1}x^{2n-1+}\dots+a_1x+a_0 = 0 (a \neq 0)
\end{equation*}
を満たす実数$x$を持つことが知られています。これを示します。

必要な知識
- 中間値の定理
- 多項式の極限



一般に奇数次の多項式は
\begin{equation*}
f(x)=a_{2n+1}x^{2n+1}+a_{2n}x^{2n}+a_{2n-1}x^{2n-1+}\dots+a_1x+a_0 (a \neq 0)
\end{equation*}
とかける。
\begin{eqnarray*}
\lim_{x \to \infty} f(x)  & = &
\lim_{x \to \infty} x^{2n+1} \left( 1 + \frac{a_{2n}}{a_{2n+1}} \frac{1}{x} + \dots +
 \frac{a_0}{a_{2n+1}} \frac{1}{x_{2n+1}} \right) \\
& = & \infty \\
\lim_{x \to -\infty} f(x) &=& -\infty
\end{eqnarray*}
より、$f(a) < 0, f(b)>0$をみたす$a,b$が必ず存在する。ただし、$ a < 0 , b >0 $としよう。$f(x)$は全定義域で連続であり、中間値の定理を用いれば、$0$は$f(a)$と$f(b)$の間にある値なので、
\begin{equation*}
f(c)=0
\end{equation*}
を満たす$c$が少なくとも1つ存在する。これが零解である。

このようにして、奇数次の方程式には必ず実数解があることを証明できた。

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