$0 \leq x \leq \frac{\pi}{2}$ において連続な関数$f$について
\begin{equation}
\int_{0}^{\pi/2} f(\sin x) dx = \int_{0}^{\pi/2} f(\cos x) dx
\end{equation}
が成立します。これを証明します。高3生ならさほど難しくない証明なので、まずは自力でやってみてから、続きを読んでください。
必要な知識
- 三角関数の加法定理
- 高校数学程度の積分
2015年3月7日土曜日
高校生の知識だけで証明するガウス積分
\begin{equation*}
\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2} dx = \sqrt{\pi}
\end{equation*}
\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2} dx = \sqrt{\pi}
\end{equation*}
を考えます。左辺は
\begin{eqnarray*}
\lim_{a \to \infty} \int_{-a}^{a} e^{-x^2} dx
\end{eqnarray*}
を意味します(注1)。この積分をガウス積分と呼び、数学や物理学では多用される非常に重要な結果です。簡単そうに見えますか?結構、難しいですよ。
これを示すには、二重積分を用いて変数変換をしたり、ガンマ関数をつかったりするのがメジャーなやり方ですが、いずれも高校生には難解です。
今回は、この多重積分もガンマ関数も用いずに、ほぼ高校の数学のみでガウス積分の結果を証明します。
「ほぼ」と書きましたが、便宜上、証明には二重階乗を用いるので、その部分だけは高校の数学の範囲を逸脱しています(ごめんなさい)。
以下の記事では、高校で学習する微積分の知識に加えて
1.二重階乗[ほんの少しだけ高校の数学外] (詳細)
2.$\sin^n x$の定積分の公式[高校の数学] (詳細)
3.Wallisの公式[高校の数学のみで証明可] (詳細)
を利用します。理解できてない部分は記事を読んで確認してから以下を読み進めてください。
2015年3月4日水曜日
sinのn乗、cosのn乗の積分
高校の教科書によっては載っている内容ですが、便利なのでここでも紹介します。$n$を自然数として
\begin{eqnarray*} \int_0^{\pi/2} \sin^nx dx
=
\begin{cases} \frac{n-1}{n} × \frac{n-3}{n-2} \dots ×\frac{3}{4} ×\frac{1}{2}×\frac{\pi}{2} (nが偶数)& \\
\frac{n-1}{n} × \frac{n-3}{n-2} \dots ×\frac{4}{5} ×\frac{2}{3}×1 (nが奇数)&
\end{cases}\end{eqnarray*}
\begin{eqnarray*} \int_0^{\pi/2} \sin^nx dx
=
\begin{cases} \frac{n-1}{n} × \frac{n-3}{n-2} \dots ×\frac{3}{4} ×\frac{1}{2}×\frac{\pi}{2} (nが偶数)& \\
\frac{n-1}{n} × \frac{n-3}{n-2} \dots ×\frac{4}{5} ×\frac{2}{3}×1 (nが奇数)&
\end{cases}\end{eqnarray*}
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