\lim_{n \to \infty} \sqrt[n]{n!}
\end{equation*}
がいくつになるか知っていますか?
知っていると便利な極限なので求めておきましょう。
必要な知識
- 高校で学習する程度の極限
- はさみうちの原理
- 総乗記号Πの扱い
$n$は自然数とする。
$(n-k)(k+1)$において、$k$を$0$から$n-1$まで動かすと$(n!)^2$になることに注目する。総乗記号を用いれば
\begin{eqnarray*}
(n!)^2=(n!)(n!) &=& \prod_{k=0}^{n-1} (n-k)(k+1)\\
&=& n×1×(n-1)×2×(n-2)×3×\dots×1×n
\end{eqnarray*}
ということでる。
さて、ここで、
\begin{eqnarray*}
(n-k)(k+1)-n &=& nk+n-k^2-k-n \\
&=&k(n-k+1)
\end{eqnarray*}
を考える。$k$は$0$から$n-1$まで動くので$n-k+1 \geq 0$と、$ k \geq 0 $を考えれば
\begin{eqnarray*}
(n-k)(k+1)-n=k(n-k+1) \geq 0
\end{eqnarray*}
であるから、
\begin{eqnarray*}
(n-k)(k+1) \geq n
\end{eqnarray*}
である。ここで、少し発想が難しいが
\begin{eqnarray*}
\prod_{k=0}^{n-1} (n-k)(k+1) \geq \prod_{k=0}^{n-1} n
\end{eqnarray*}
を考える(この記号の計算方法はこちらを参考)。左辺は上で見たように$(n!)^2$であり、右辺は$n$を$n$回かけることになるので、
\begin{eqnarray*}
(n!)^2 \geq n^2
\end{eqnarray*}
となる。これの$2n$乗根をとれば、
\begin{eqnarray*}
\sqrt[n]{n!} \geq \sqrt{n}
\end{eqnarray*}
ここで、
\begin{equation*}
\lim_{n \to \infty} \sqrt{n} = \infty
\end{equation*}
より、\begin{equation*}
\lim_{n \to \infty} \sqrt[n]{n!} = \infty
\end{equation*}
である。
補足
本稿では次の命題を証明なしで用いた。命題:2つの数列${a_n},{b_n}$において
\begin{equation*}
a_n \leq b_n (\forall n), \lim_{n \to \infty} a_n = \infty \Rightarrow \lim_{n \to \infty} b_n = \infty
\end{equation*} が成り立つ。
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