2015年3月7日土曜日

sin,cos,tan以外の三角比とそれらを結ぶ関係式の図

高校でならう三角比は次のような三角形において



\begin{eqnarray*}
\sin \theta &=& \frac{b}{c} \\
\cos \theta &=& \frac{a}{c} \\
\tan \theta &=& \frac{b}{a}
\end{eqnarray*}

と定義される3つで、上から順に、正弦、余弦、正接などと呼ばれます。

しかし、直角三角形の辺の長さの比のとり方はこれ以外にもあります。





\begin{eqnarray*}
\csc \theta &=& \frac{c}{b} \\
\sec \theta &=& \frac{c}{a} \\
\cot \theta &=& \frac{a}{b}
\end{eqnarray*}

これらは、上から順に余割(コセカント)、正割(セカント)、余接(コタンジェント)と呼ばれ、それぞれ、$\sin \theta,\cos \theta,\tan \theta$の逆数(≠逆関数 注1)の関係にあります。

また、これらには、
\begin{eqnarray*}
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta &=& 1 \\
\tan^2 \theta + 1 &=& \sec^2 \theta \\
1 + \cot^2 \theta &=& \csc^2 \theta
\end{eqnarray*}
という関係がある。これらを覚えるのは大変なので、下の図を頭に入れておけばよい。

この図は、それぞれの三角比の反対側にその三角比の逆数を書いたもの(たとえば、$\sin$の反対側には、$\csc$がある)であり、逆さになった正三角形の上二つの二乗の和は、下の頂点の二乗の和に等しいことを意味してる(たとえば、$1+\tan^2 \theta = \sec^2 \theta$)。

定義された余割、正割、余接はいずれも正弦、余弦、正接と同様に定義域を拡張することができる。

$y=\sin x$と$y=\csc x$のグラフ

$y=\cos x$と$y=\sec x$のグラフ

$y=\tan x$と$y=\cot x$のグラフ

$y=\csc x$と$y=\sec x$の$y=\cot x$グラフ

注1)三角関数の逆数をとることから、これらを逆三角関数と呼ぶ人が居るが、それは誤り。逆三角関数というのは、三角関数の逆関数のことで(詳細)あって、$\sec,\cos,\cot$は逆三角関数とは呼ばない。


研究課題


余割、正割、余接の加法定理を求めよ。

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