問2.18gの水に含まれる水分子の一つ一つに番号をふっていき(注1)、それを順に書き出すとしたら、どれぐらいの面積が必要でしょうか。
先日の記事でも扱いましたが、${\rm H_2O}$の質量数は18gなので、水18gには$6.0×10^{23}$個の原子が含まれています。アボガドロ定数
\begin{equation*} {N_A=6.02214129×10^{23}} \end{equation*}
は、1molに含まれる粒子数を表す定数でした。本稿では、上の問をヒントに$10^{23}$という数の大きさを考えます。
\begin{equation*} {N_A=6.02214129×10^{23}} \end{equation*}
は、1molに含まれる粒子数を表す定数でした。本稿では、上の問をヒントに$10^{23}$という数の大きさを考えます。
必要な知識
- 指数の簡単な取扱い
- 比例式の計算
- 面積の換算
- アボガドロ定数
結果は、どれくらいの大きさで文字を書くかに依存するので、下の図程度の詰め具合で字をかいていくとしましょう。
森林・林業学習館のこのページにさしこまれた資料の注を参考に地球の表面積はおよそ$510,000,000{\rm km^2}$とします。
海の上に文字はかけませんが、計算がめんどくさくなるだけなので、海を含む地球の表面すべてに文字がかけると仮定しましょう。地球の表面にかける文字数を$x$字とすれば、
126 {\rm cm^2} : 480字 = 510,000,000{\rm km^2} : x字
\end{equation*}
という比例式がなりたつ。ここで、$510,000,000{\rm km^2}=5.1×10^{18} {\rm cm^2}$に注意して
\begin{equation*}
x 字 = \frac{5.1×10^{18} {\rm cm^2}×480字}{126 {\rm cm^2}} \simeq 1.9×10^{19} 字
\end{equation*}
x 字 = \frac{5.1×10^{18} {\rm cm^2}×480字}{126 {\rm cm^2}} \simeq 1.9×10^{19} 字
\end{equation*}
である。
よって、地球表面にビッシリ文字を書き連ねれば$10^{19}$字まで文字をかけることが分かります。
そして、アボガドロ定数は$6.0×10^{23}$です。18gの水分子中に含まれる粒子に1つ1つ番号をふり、それを書きだそうしたとき、地球の表面積を同じ大きさの紙をつかっても到底書きつくせないということですね。
(注1)量子論を学べば分かることだが、これは原理的に不可能なことである。量子論によると同種粒子は原理的に区別できないので名前をつけて書き出していくことはできない。本稿は「それができたら」という仮定のもとでアボガドロ定数の大きさを実感することが目的。
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