2015年3月3日火曜日

期待値が無限大になるお話 サンクトペテルブルクの賭け

ギャンブルをするときの目安として、期待値がかける金額を下回るときに「平均的には損をする」と言い、期待値がかける金額を上回るときに「平均的には得をする」などと考えますね。では次のサンクトペテルブルクの賭けと呼ばれる昔から知られているゲームではどうでしょうか。


裏と表の出る確率がそれぞれ、$ \frac{1}{2} $であるコインを用意し、コイントスを行います。このコイントスはコインの裏が出るまで続けるものとします。$ {n}$ 回目に初めて裏が出た時、$  {2^n}$ 円の賞金を得ることができます。

このゲームで得られる賞金の期待値を考えてみましょう。


必要な知識
- 高校で学習する程度の場合の数・確率






1回目のコイントスでゲームが終わる確率は$ \frac{1}{2^1}$  この時の賞金は$ 2^1$ 円

2回目のコイントスでゲームが終わる確率は$  \frac{1}{2^2}$  この時の賞金は $ 2^2$ 円

3回目のコイントスでゲームが終わる確率は$ \frac{1}{2^3}$  この時の賞金は $ 2^3$ 円
\begin{eqnarray*}
\vdots
\end{eqnarray*}
$ n $ 回目のコイントスでゲームが終わる確率は$ \frac{1}{2^n}$  この時の賞金は $ 2^n$ 円
\begin{eqnarray*}
\vdots
\end{eqnarray*}

よって、期待値$ E$ は次のように計算される。
\begin{eqnarray*}
E &=& \sum_{i=1}^{\infty} \frac{1}{2^i}×2^i \\
  &=& 1×1+\frac{1}{2}×2+\frac{1}{4}×4+\dots+\frac{1}{2^n}×2^n+\cdots \\
  &=& 1+1+1+1+\cdots \\ &=& \infty
\end{eqnarray*}

この試行の期待値は無限大となってしまった。

このゲームの参加料は1億円だとして、君は参加するかな??




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