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2015年3月9日月曜日

0! = 1 の理由と0のn重階乗(0!,0!!,0!!! …)

階乗の定義に際して、\begin{equation*} 0! = 1 \end{equation*}
が約束されています。この理由は何でしょうか。また、
\begin{equation*} 0!! \end{equation*}
はいくつになるのでしょうか。

必要な知識
- 階乗の定義
- 組み合わせ {}_n \mathrm{C} _r の計算方法


0!=1の説明1


なぜ0!=1と定義するのかに対する最も端的な答えは「その方が都合が良いから」です。

場合の数の単元で学習する組み合わせ{}_n \mathrm{C} _rにおいて、0!=1と定義しておけば非常に都合の良いことを確認してみましょう。

\begin{eqnarray} {}_n \mathrm{C} _r & = & \frac{n!}{r!(n-r)!} \\ \end{eqnarray}

は、n個の要素の中から、r個選ぶ組み合わせは何通りあるのかを意味するものとして導入されました。n=rのときは、n個の中からn個選ぶ通りは1通りであるから、
\begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _n & = & 1 \\ \end{eqnarray*}
となるはずですが、(1)の右辺はr=nの時、
\begin{eqnarray*} \frac{n!}{n!(n-n)!}=\frac{n!}{n!0!}=\frac{1}{0!} \\ \end{eqnarray*}

となります。ここで、0!=1と定義してあれば、最右辺=1とできるので、とても都合が良いのがよくわかります。

もうひとつ0!=1で都合がよい例を紹介します。eをべき級数展開すれば、

\begin{equation*} e = 1 + 1 + \frac{1}{2!} + \frac{1}{3!} + \frac{1}{4!} + \dots \end{equation*}
となります(詳細)。このとき、0!=1と定義してあれば、
\begin{equation*} e = \frac{1}{0!} + \frac{1}{1!} + \frac{1}{2!} + \frac{1}{3!} + \frac{1}{4!} + \dots = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!} \end{equation*}
と綺麗にまとめることができます。

これから学習する数学では上であげた二つの例以外にも0!=1としておけば、非常に都合が良い場面が多々あります。そのため、0!=1と定義するのです。

0!=1の説明2


もう一つ、0!=1の説明としてしばしば採用されるのが下の考え方です。

(n-1)!を考え、ここにn=1を代入することによって0!を求めるというものです。

\begin{eqnarray*} (n-1)! &=& (n-1)×(n-2)×\dots×2×1 \\ &=& \frac{n×(n-1)×(n-2)×\dots×2×1}{n} \\ &=& \frac{n!}{n} \end{eqnarray*}

この両辺にn=1を代入すれば、
\begin{eqnarray*} (1-1)! &=& \frac{1!}{1} \\ 0! &=& 1 \end{eqnarray*}
となります。

0!!=1

まずは、0!!0!=1を定義した時と同じように考える。

\begin{eqnarray} (n-2)! &=& (n-2)×(n-4)×(n-6)×\dots \\ &=& \frac{n×(n-2)×(n-4)×\dots}{n} \\ &=& \frac{n!!}{n} \end{eqnarray}

ここでn=2を代入すると、




\begin{eqnarray*} (2-2)!! &=& \frac{2!!}{2} \\ 0!! &=& 1 \end{eqnarray*}
負の階乗の知識(詳細)をもっていれば、この定義が、例えば\sin^n xの積分の公式を二重階乗を用いて表す(詳細)ときに非常に辻褄があうことが納得できる。

0\underbrace{!!\cdots!}_{m個}=1


同様にして、0のm重階乗0\underbrace{!!\cdots!}_{m個}を考える。

\begin{eqnarray*} (n-m)\underbrace{!!\cdots!}_{m個} &=& (n-m)×(n-2m)×(n-3m)×\dots \\ &=& \frac{n×(n-m)×(n-2m)×\dots}{n} \\ &=& \frac{n!!\cdots!}{n} \end{eqnarray*}

ここにn=mを代入すれば、



\begin{eqnarray*} (m-m)\underbrace{!!\cdots!}_{m個} &=& \frac{m!!\cdots!}{m} \\ 0 \underbrace{!!\cdots!}_{m個} &=& 1 \end{eqnarray*}


である。

よって、0!=0!!=0!!!=\dots=1が説明できた。

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