高校の教科書では、$\vec{a}$と$\vec{b}$の成す角が$\theta$のとき、内積$\vec{a}\cdot \vec{b}$を次のように定義するとあります。
\begin{equation*}
\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos \theta
\end{equation*}
しかし、教科書にはその理由が書いてありません。
本稿では、なぜベクトルの内積がこのように定義されるのかを考えます。なお、本稿では、向きと大きさを持つベクトル量に対して、向きを持たない量をスカラ量と呼びます。
必要な知識
- 余弦定理
- ベクトルの基本的性質
2015年3月15日日曜日
2015年3月14日土曜日
なぜ逆関数はf^(-1)で表すのか、なぜy=xに対称なのか。
関数$y=f(x)$の逆関数は$y=f^{-1}(x)$と書かれました。逆関数をなぜ-1乗と書くのでしょうか。
また、逆関数ともとの関数はなぜ$y=x$に対称なのでしょうか。
本稿では、
1.逆関数の定義のおさらい
2.逆関数を$f^{-1}$乗と書く理由の説明
3.逆関数ともとの関数が$y=x$に対して対称であることの証明
を扱います。
逆関数という言葉は数学IIIで学習するものですが、本稿は数学IIIが未習のひとでも理解できます。
必要な知識
- 関数を$y=f(x)$と書くことになれていること
絶対値を含む関数 y=f(|x|),|f(x)|,|f(|x|)|
絶対値を含む関数が苦手な人が多いです。適当な関数$y=f(x)$に対して、
\begin{equation*}
y=|f(x)|
\end{equation*}
がどんな形になるか即答できる人は多いですが、
\begin{equation*}
y=f(|x|)
\end{equation*}
がどんな形になるか即答できる高校生は少ないです。さらに
\begin{equation*}
y=|f(|x|)|
\end{equation*}
はどういう形になるでしょう。
本稿ではこうした絶対値を含む関数を見てみます。
必要な知識
- 実数の絶対値の意味
- 三角関数のグラフの形
\begin{equation*}
y=|f(x)|
\end{equation*}
がどんな形になるか即答できる人は多いですが、
\begin{equation*}
y=f(|x|)
\end{equation*}
がどんな形になるか即答できる高校生は少ないです。さらに
\begin{equation*}
y=|f(|x|)|
\end{equation*}
はどういう形になるでしょう。
本稿ではこうした絶対値を含む関数を見てみます。
必要な知識
- 実数の絶対値の意味
- 三角関数のグラフの形
2015年3月12日木曜日
実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違い
先日の記事でも紹介したように、虚数同士の大小を(私たちのよく知る意味においては)比較することはできません(詳細)。一方で、虚数の絶対値は定義することができます。しかし、その扱いには注意が必要です。
問.$|z-2|=1$を満たす複素数$z$を求めよ。
これに対して、ある学生は以下のように考えました。
まずは絶対値記号をはずして
\begin{equation*}
z-2=\pm1
\end{equation*}
より、
\begin{equation*}
z=1,3
\end{equation*}
実はこれは間違いです。どこがおかしいか説明できますか。
本稿では、
1.複素平面についておさらい
2.複素数の絶対値の定義を納得する
3.実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違いを指摘する
4.この問いに対する正しい答えを導く
ことを行います。
必要な知識
- 実数の絶対値の定義や絶対値記号の外し方
- 複素数と虚数の定義(詳細)
- 円の方程式$x^2+y^2=r^2$
問.$|z-2|=1$を満たす複素数$z$を求めよ。
これに対して、ある学生は以下のように考えました。
まずは絶対値記号をはずして
\begin{equation*}
z-2=\pm1
\end{equation*}
より、
\begin{equation*}
z=1,3
\end{equation*}
実はこれは間違いです。どこがおかしいか説明できますか。
本稿では、
1.複素平面についておさらい
2.複素数の絶対値の定義を納得する
3.実数の絶対値と複素数の絶対値の根本的な違いを指摘する
4.この問いに対する正しい答えを導く
ことを行います。
必要な知識
- 実数の絶対値の定義や絶対値記号の外し方
- 複素数と虚数の定義(詳細)
- 円の方程式$x^2+y^2=r^2$
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